鹿屋ハートセンターの感染対策

医療機関をほめるときに、ホテルのようにきれいな病院というものがあります。宿泊施設であるホテルと病気から人を守る医療機関ではその設計思想は異なるはずです。鹿屋ハートセンターは、ホテルのような医療機関を目指してはいません。。その設計思想は院内感染を防ぐです。ハード面での対策は可能な限り行ってきましたが、重要な点はそこにいる人の行動です。

外観: 外観は極力凹凸を少なくしたマッチ箱を積み重ねたような構造です。デザイン性は全くありません。凹凸を少なくすることで鳩の巣などができにくい構造にしています。窓はブラインド内蔵の2重窓にしており、ブラインドにホコリがたまらない構造にしています。

内装: 内装の基本は清掃の容易さです。床材には可塑性の高いアキレス(株)の床材を使用し床から壁への移行にR(アール)を持たせ、角のホコリたまりを防いでいます。トイレも床置きではなく壁掛けに統一し、便器の立ち上がり部の細菌繁殖を防ぐ構造です。建具は、原則として天井まですき間なく設置し天板へのホコリたまができない構造にしています。病床にある隣のベッドとの仕切りをかねたロッカーは、明かりを確保するために天井に接していませんが、ホコリが溜まった場合にすぐに目につくように視線より低い高さにしています。

水回り: 各病室に洗面所を用意し、看護師の一行為一手洗いを容易にしています。洗面台にはどうしても不潔になるオーバーフローがないものを採用しました。ナースステーションの水回りからの感染拡大を防ぐ目的で作業用のシンクは清潔用。不潔用に分離しています。

職員による清掃: コロナ以前からハートセンターでは清掃は外注せずに職員で行ってきました。医療者の視点で清掃を行っています。

使いまわしの物品の撤去: 新型コロナウイルス感染拡大後、週刊誌や新聞・血圧計など患者同士で使いまわすものを撤去しました。

新型コロナウイルス感染の早期発見: かかりつけの患者様の発熱時に新型コロナウイルス感染の有無を明らかにするためにPCR検査や抗原検査が迅速にできる体制を整えました